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消化器領域の治療指針とパス

掲載記事は発行時(2005年)の内容です。

I  治療指針とパス

食道静脈瘤の内視鏡的治療 EIS、EVL

福島県立医科大学附属病院 内視鏡診療部部長・教授 小原勝敏

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   食道静脈瘤は門脈圧亢進症に伴い発生し、食道静脈瘤を来す疾患の約90%は肝硬変症である。治療法には(1)内視鏡的治療、(2)IVR(Interventional Radiology)を応用した治療、(3)外科手術、(4)薬物治療、(5)保存的治療があるが、近年、内視鏡的治療がその主流となってきている。
   内視鏡的治療は、内視鏡的硬化療法(EIS)と内視鏡的静脈瘤結紮療法(EVL)の2つに大別される。

適応

   日本消化器内視鏡学会の「食道・胃静脈瘤内視鏡ガイドライン」での適応静脈瘤は、

  • 出血静脈瘤
  • 出血既往のある静脈瘤
  • F2以上の静脈瘤またはF因子に関係なくred color sign(RC2以上)陽性の静脈瘤

   とされている。
   一方、待機・予防例のEISにおいて禁忌とされるのは、

  • 高度黄疸例(T-Bil 4.0mg/dL以上)
  • 高度の低アルブミン血症(2.5g/dL以下)
  • 高度の血小板減少(2万以下)
  • 全身の出血傾向(DIC)
  • 大量腹水貯留
  • 高度脳症
  • 末期肝癌(Vp3)
  • 高度腎機能不良例

などである。これらの患者では、原疾患の自然経過を上回る治療効果が判断される場合以外は適応とならない。
   なお、高度肝障害、高度腎機能低下例や硬化剤、造影剤アレルギーのある患者ではEVLを選択する。

治療の目的

   静脈瘤破裂を起こしている緊急時には止血による出血死の回避、出血既往例では再出血の防止、出血の危険性の高い静脈瘤を持つ患者には静脈瘤出血を未然に防止することを目的とする。
   食道静脈瘤治療のほとんどは内視鏡的治療で行えるが、その治療方針はそれぞれの手技の特徴を十分理解し、患者の状態によって立てる必要がある(図1)。

図1:食道静脈瘤の治療指針

図1:食道静脈瘤の治療指針

 EO : 5% Ethanolamine oleate
 ET : ethanol
 s-EVL : selective EVL
 AS : 1% Aethoxysklerol
 APC : Argon Plasma Coagulation

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