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消化器領域の治療指針とパス

掲載記事は発行時(2005年)の内容です。

I  治療指針とパス

膵胆道疾患の内視鏡検査 ERCP

京都第二赤十字病院 消化器科部長 安田健治朗

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   内視鏡的逆行性膵胆管造影法(ERCP)は十二指腸内視鏡を用いて、直視下に十二指腸乳頭開口部からカテーテルを挿入し、造影剤を逆行性に注入しながら、膵・胆管をX線透視下に直接造影する検査法である。膵管および胆管が直接造影されることから、膵胆道疾患の診断には不可欠な検査である。一方、ERCPは通常内視鏡に比べ被検者に侵襲を伴い、偶発症の頻度が高いことも事実であるため、検査の適応決定や偶発症の予防、その対処についても理解する必要がある。

適応と禁忌

   膵管および胆管、胆嚢疾患や、乳頭部疾患がERCPの適応となる。禁忌は、一般的な上部消化管内視鏡検査の禁忌に加え、胆管結石を伴わない急性膵炎の急性期、慢性膵炎の増悪期である(表1)。

表1:ERCPの適応と禁忌

適応 禁忌 要注意
膵臓疾患
  • 膵臓癌
  • 嚢胞性疾患
  • 慢性膵炎
  • 膵管癒合不全
  • 輪状膵
  • 全身状態が著しく不良
  • 造影剤過敏症
    (アナフィラキシーショック)
  • 急性膵炎急性期
  • 慢性膵炎の急性増悪期
  • 上部消化管狭窄
  • 胃全摘出後
    Roux-en-Y吻合
  • Billroth II法 残胃例
胆道疾患
  • 胆管癌
  • 胆嚢癌
  • 胆道結石症
  • 胆管狭窄
  • 膵・胆管合流異常
乳頭部疾患
  • 乳頭部癌
  • 乳頭機能不全症

*女性では妊娠の有無を確認することが重要である。

検査・治療の目的

   ERCPは乳頭部を含む膵胆道疾患に対し、ほかの画像検査法(超音波断層法やCTなど)を行った上で、さらに悪性疾患との鑑別や確定診断のために行われる。また、近年では総胆管結石や閉塞性黄疸などに対する経乳頭的内視鏡処置のために行われることが多い。

診断目的のERCP
膵管、胆管の形態異常を来す病態のすべてに適応

処置のためのERCP
内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)による胆道結石の採石や膵石の採石、経内視鏡的胆道ドレナージ(EBDまたはERBD)や膵管ドレナージ

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