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お役立ち情報

消化器領域の治療指針とパス

掲載記事は発行時(2005年)の内容です。

I  治療指針とパス

肝細胞癌の局所治療 RFA

武蔵野赤十字病院 副院長・消化器科部長 泉 並木

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   近年、肝細胞癌は小型で発見される例が増加している。また背景に肝硬変や進行した慢性肝炎を併発している場合が多いことから、外科的治療の適応とならない例も多く局所療法の役割は大きい。現在、肝癌に対する経皮的局所療法の中心となっているのが、中波長のラジオ波を利用したラジオ波焼灼療法(RFA)である。RFAは腫瘍壊死範囲が広いエタノール注入療法(PEIT)と、壊死効果の高いマイクロ波凝固療法(PMCT)の長所を兼ね備えている。

適応

   現在明確な適応基準はなく、施設ごとにある程度異なると考えられるが、一応の目安を示す。

腫瘍径と腫瘍数

  • 3cm以下かつ3個以下。最新の機器を用いると4cmまで治療できるが習熟を要す

部位

  • 超音波ガイド下で穿刺可能な部位
  • 門脈、肝静脈、胆管への浸潤がない
  • 腫瘍が胆嚢、腸管、肺など周囲臓器損傷を避けられる部位にある

肝機能

  • T-Bil 3.0mg/dL未満
  • 血小板数5.0万/m3以上
  • 腹水コントロールが可能
  • プロトロンビン時間がコントロールより3秒以内の延長である

   術前は必ず血管造影を行い、肝動脈造影下CTスキャン(CTHA)と経上腸管膜動脈的門脈造影下CT(CTAP)を行って、腫瘍数の大きさ、脈管浸潤の有無を的確に把握しておくことが大切である。CTHA、CTAPが不可能な場合は、少なくとも3相CTスキャンを行う。

治療の目的

   根治を目的とし、かつ局所再発の防止と肝機能温存を図る。治療効果判定はRFA後のダイナミックCTスキャン動脈相で、マージンが全周5mm以上とれていること、焼灼周囲に動脈相で造影され、平衡相で欠損になる部分がないことが基準である(図1)。

図1:治療前後のダイナミックCTスキャン動脈相
       肝S7腫瘍径2.7cmの肝細胞癌に対するRFA。
       治療前と比較して治療後は造影欠損部が全周にわたって5mm以上確保される必要がある。

図1:治療前後のダイナミックCTスキャン動脈相 肝S7腫瘍径2.7cmの肝細胞癌に対するRFA。 治療前と比較して治療後は造影欠損部が全周にわたって5mm以上確保される必要がある。
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