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消化器領域の治療指針とパス

掲載記事は発行時(2005年)の内容です。

I  治療指針とパス

大腸疾患の早期診断・治療のための検査 大腸内視鏡検査

多田消化器クリニック 院長 多田正大

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   大腸疾患の増加に伴い、大腸内視鏡検査数は年々増加している。また、便潜血陽性の場合の二次検査として、全大腸内視鏡検査を行う施設も増えつつある。前処置の改善と機器の改良が進んだことにより、大腸内視鏡検査は低侵襲で、大腸癌の早期発見にもっとも有効な検査であるが、被検者の苦痛が少なくないので術者は十分なトレーニング、熟練が必要である。

適応と目的

   あらゆる大腸疾患が適応である。また、大腸疾患が疑われる症例の除外診断や、便潜血反応陽性者への精査も適応となる。
   スコープの選択や挿入法は術者により異なる。挿入法は大別してループ挿入法と短縮挿入法がある。いずれにせよ挿入手技に習熟し、被検者の苦痛を最小限に、安全で確実な検査を行うことが重要である。今日では検査中に硬度を変換できる「硬度可変式スコープ」が普及している(図1)。

図1:食道静脈瘤の治療指針

:腸管の走行に沿って、かつループが小さくなるように工夫しながら、結腸脾彎曲部まで挿入する
b:スコープ先端部を横行結腸にひっかけるようにして、slip downを防止しながら抜去しS状結腸のループを確実に直線化する。
    ここで硬度可変機構を作動させる
c、d、e:横行結腸から上行結腸へ進む間、S状結腸ループは防止できる

図1:食道静脈瘤の治療指針

※図はコロナビによる

禁忌
  • 急性腹膜炎、腸閉塞、腸管穿孔のある場合
  • 炎症性腸疾患に伴う中毒性巨大結腸症など
  • 十分な説明の上で、同意が得られない被検者

   以下については内視鏡を行う有用性が上回る場合にのみ、熟練した術者が行う。

  • 重篤な炎症性腸疾患
  • 婦人科的手術後などの高度癒着例
  • 不完全腸閉塞症
  • 腹部大動脈瘤のある被検者
  • 妊娠中、あるいは全身状態の不良な被検者

   また、大腸検査には内視鏡検査のほかに注腸造影検査もあるが、それぞれの特徴を理解し、いずれの検査が被検者にとってより有用であるかを考慮した上で施行すべきである。

大腸検査の特徴

内視鏡検査

  • 直視下に病変を観察できる
  • 必要に応じて、直ちに生検やポリペクトミーが可能
  • 体動が困難な被検者でも施行可能

注腸造影検査

  • 腸管癒着などの場合も大腸全体の描出が可能
  • 病変の客観的な部位の診断ができる
  • 被検者の苦痛が比較的少ない
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